生繭
繭を煮て糸を引く
座繰りで糸を引く
精練が終わった絹糸は美しく輝いています。
糸づくり −きものをつくる仕事は糸づくりから始まる
Spinning thread: The first step
生繭を求める
Harvesting new cocoons
桑を十分に食べ健康に育った蚕は、
八の字に頭を振りながら美しい糸を吐糸し繭をつくりあげる。
蚕−サナギ−蛾へと変態を途げる繭。
繭の中のサナギが生きている状態の時の生繭を使用、
糸の艶・柔らかさ・発色性など上質の糸をとるには
この状態が最も望ましい。
生繭から座繰りで糸を引く
Hand-spun silk from new cocoons
湯に浮かべた繭から好みの太さで生糸を引き上げる。
1個の繭からおよそ1200mの糸を引く。
程よい水分・油分が含まれた状態を生かしたまま糸にし、
絹糸に反映させていく。
糸に撚りをかける
Twisting the yarn
2〜3本の糸を合わせて合糸し撚りをかける。
精練して絹糸にする
Refinement of the silk yarn
稲藁を燃やし、藁灰汁をつくり、
その上澄みを布で濾し、生糸を煮る。
表面に着いているセリシン(たんぱく質)が落ち、
輝く絹糸になる。
グレーの染材となる冬青の樹皮を炊く
冬青で染めた絹糸
染色
Dyeing
染料となる植物を採集する
Harvesting plants for dye materials
近隣の里山で、梅・山櫻・椎・ヤマモモ・
冬青(ソヨゴ)・臭木(クサギ)・茜など、
各々の植物が最も美しい色が出る時期に採集する。
染材を炊き出し、絹糸を染める
Dyeing yarn in boiling dyes
採集した草木はすぐに炊き出す。
染色は求める色になるまで数回〜数十回、重ね染めする。
一部手作りの媒染剤で発色・定着させる。
染めた糸は長いもので3年枯らし、
色が落ち着くのを待ってから使用する。
糸に糊付けをする
Starching the silk yarn
春ー山櫻
夏ーやまもも
秋ー臭木
冬ー紫根
緯糸の管が入った杼
織り
Weaving
機で生地を織る
Loom weaving
織り上がった生地
生地の完成
Completion of textile
織り終わった生地を整理する
Straightening the woven cloth
生地ののりを落とす
Removing starch from textile
ゆっくり時間をかけてのりを落とす。
戸外に布を張り、太陽光で乾かす。